倉敷中央高校生徒のみなさんへ 3学期終業にあたりメッセージ(校長より)

新型コロナウイルス感染症の影響による臨時休業が始まり、感染症がもたらす厳しい現実を、目の当たりにする日々が続いています。当たり前のようにできていた学校生活が、当たり前にできない状況が長期化する中で、家族の皆さんと協力しながら、工夫ある生活を送っていることと思います。このような中で不安な気持ちがある際には、遠慮せず学校へ相談連絡して下さい。

本来なら今日は、令和元年度第3学期終業式の日にあたります。皆さんの前でお話しできないため、この手紙を書いています。思い出して下さい。3学期始業式で話した「目標設定」のこと、できていますか。もしできていない人がいたら、とにかく目標を立てることに挑戦して下さい。高校生活で立てる目標は、自分の人生への挑戦です。皆さんは、計り知れない潜在能力を持っています。その力を出していくには、学んだ言葉で組み立てた自分らしい目標を持つことが必要です。言葉を組み立てる作業はとても大変ですが、この作業と共に主体的な力が身についていきます。既に目標を立てている人は、内容の追加や言葉の置き換え、もしくは訂正や削除等で、より現実的な目標に近づけていって下さい。この目標があれば、2月28日そして本日教室で伝えられた内容や学校からのメール、学校ホームページによる情報が、受身でなく主体的に考え実践していく情報として、聞いたり読み取ったりできるはずです。今後の進学、就職試験の面接等では「臨時休業中は、どのように時間を活用しましたか。」等の質問も、予想されるのではないでしょうか。皆さんの気持ち(やる気)が、さらに前向きな工夫ある生活に繋がっていくと共に、皆さんの未来に繋がっていくことを願っています。

3月3日には、卒業生と修了生を送りました。「高い志を目指して」生き続けてもらいたいという思いを込め、「どう生きるかを、常に考える人間であって欲しい」「学び続ける人間であって欲しい」「健康を大切にする人間であって欲しい」という、三つのことを贈りました。今日はその中でも一番伝えたかった部分を紹介します。『まず始めに、「どう生きるかを、常に考える人間であって欲しい」という事です。そこで、吉野源三郎さんが書いた『君たちは、どう生きるか』という本を紹介します。この本は、人として本当に大切な事は何か、自分はどう生きればいいのか「考えるヒント」を与えてくれます。これから自己責任を問われる環境の中で、自分で判断し前進する場面が否応なく増えていきます。不安や後悔を恐れない、ぶれない心を持続させるために、『君たちは、どう生きるか』を読み、自分なりに考えてみて下さい。考えてみることが余裕に繋がり、それが高い志に繋がっていきます。』 今こそ在校生の皆さんも、「どう生きるか」をしっかり考える期間とし、他人に振り回されない良識ある行動を心がけ生活して下さい。

感染症流行阻止への手立てが、国内はもとより世界で対応が整い、一人ひとりの責任ある行動により、本来の全ての生活が1日も早く戻ることを願い、生徒の皆さんへの手紙とします。

 

令和2年3月19日

岡山県立倉敷中央高等学校

校 長  福 本 和 宏

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